10月21日【後楽園の能舞台について】
後楽園の能舞台です。
大きな松の絵が描かれた舞台正面の羽目板を鏡板(かがみいた)といい、
描かれている松の絵は倉敷出身の池田遙邨(いけだようそん)画伯の作です。
舞台向かって左手に橋懸り(舞台に出るための通路)があるのですが、
その脇にも松が植えられ、奥にいくほど松の高さを低くすることで遠近感を出しています。
そして、能舞台の下には大きな瓶(かめ)が置かれています。
舞台下に6つ、橋掛りに3つ、瓶の口が舞台の中央を向くように設置されています。
石見焼の瓶だそうで、これらが置かれていることで
舞台に楽器のような効果が出るのだそうですよ。
(瓶の振動で余分な音を吸収させて、地面の土と瓶とで
ちょうどよいくらいの音響になるんだとか…。)
庭園内に田畑、茶室、そして能舞台が揃っていることが
大名庭園の基本といわれていますが、
(ちなみに日本三名園の中でこの3つの条件が今も
残っているのは後楽園だけです)
後楽園の能舞台が最初に作られたのは
今から302年前(宝永4年)のこと。
後楽園を作った藩主・池田綱政公がとても能に熱心なお殿様で、
自身も優れた能の舞手であったことから、特に力を入れた建物だったようです。
綱政の子継政公の時大きな改築があり、
戦災で消失するまではその建物が伝わっていました。
鏡板の松の絵も、藩お抱えの絵師によって代々書き継がれていました。
現在の能舞台は、戦災後、昭和33年に復元されたものです。
ちなみに綱政公の時代には、家臣の家族や町人、農民などを招いて
能を鑑賞させていたということが記録に残っていますが、
それはまた、別の機会に(^▽^)ノ☆
近日中に後楽園の能舞台で開催される能楽関連のイベントを
下記にご紹介します。機会があれば、ぜひご参加くさい!
(詳細はそれぞれのリンク先をご覧ください)
○「大名庭園で楽しむ狂言鑑賞と菊花展」10月28日(水)、11月5日(木)
○「藤々会 秋の大会」11月1日(日)
○「岡山後楽能」11月3日(火・祝)
by korakuen-pr | 2009-10-21 15:26 | その他